国内融和、労働改革…「マクロン大統領」が直面する5つの課題
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【5月8日 AFP】7日に行われたフランス大統領選の決選投票で勝利したエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)。マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏に大差をつけてエリゼ宮(Elysee Palace、大統領府)の主の座を射止めたが、就任後は幾つもの難題が待ち構えている。
主な課題を5つ挙げると(1)国内の融和(2)議会での勢力確保(3)労働改革(4)テロ対策(5)欧州連合(EU)改革――となるだろう。このうち、来月に迫った国民議会(下院)選挙で過半数の勢力を獲得することが最初の関門となる。
■フランスの融和
親EUの中道派で投資銀行出身のマクロン氏は大統領として、分断された国としてのフランスを引き継ぐことになる。第1回投票では、有権者の半数近くが反EUや反グローバリゼーション、反エリートなど極端な政策を掲げる候補たちを支持した。
「2つのフランス」の分断線は地理的な境界に重なる。一方は都市部で、経済的に豊かで、改革に開かれているフランス。もう一方は、北部のさびついた工業地帯や、地方の経済的に恵まれない地域を中心としたフランスだ。極右のルペン氏に票を投じたのは後者の住民だ。
■議会との関係
マクロン氏は、自分を多くの有権者が支持したのは強い信念に基づくものではなく、単にルペン氏による権力獲得を阻止したかったからだということ、つまり、6月11日と18日に予定される議会選で支持が得られない恐れがあることをよく分かっている。
マクロン氏は、従来の左派、右派の政党の枠を超えて中道の多数派を新たにつくり出すとして、1年足らず前に政治運動「前進(En Marche)」を立ち上げた。本人は現代フランスで異例の大躍進を遂げたが、今度は議会で確固たる勢力を確保しなければならない。