【5月7日 AFP】エベレスト(Mount Everest)の史上最高齢登頂記録の更新を目指していたミン・バハドゥール・シェルチャン(Min Bahadur Sherchan)さん(85)が 6日、ベースキャンプで死亡した。

 シェルチャンさんは、2013年にプロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎(Yuichiro Miura)さんが打ち立てた記録の奪還を狙っていた。

「彼は今日午後5時14分(日本時間同8時14分)にベースキャンプで亡くなった」と、高度5380メートルのキャンプにいたネパール観光当局のギャネンドラ・シュレスタ(Gyanendra Shrestha)氏はAFPに語った。

 元英国軍グルカ(Gurkha)兵のシェルチャンさんは2008年、76歳のときに最高齢登頂記録を樹立した。だが、5年後に三浦さんが80歳で山頂8848メートルに到達して記録を塗り替えた。

 耳の聞こえが少し悪くなっていたシェルチャンさんは今年2月、エベレストに登る前にカトマンズ(Kathmandu)でAFPの取材に応じ、まだ世界最高峰に到達できることを証明したいと語っていた。

「私の目的は誰かの記録を破ることではなく、人々の間での個人的な競争でもない。私自身の記録を塗り替えたいと思っているだけだ」

 4月下旬から5月末まで続くエベレストの登山シーズンで、今年の死者はこれで2人目。先月にはスイス人のベテラン登山家ウエリ・シュテック(Ueli Steck)さんが滑落して亡くなっている。(c)AFP