マクロン陣営の情報流出は「犯罪」、仏当局 厳しく対応する姿勢
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【5月7日 AFP】フランス当局は6日、大統領選の中道候補エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相陣営へのサイバー攻撃により同陣営の内部文書が投票日前日になりインターネットに流出したことを受け、この情報を拡散した者は刑罰を適用すると警告し、厳しく対応する姿勢を示した。
マクロン陣営は5日、「大規模かつ組織的なサイバー攻撃」を受け、数千におよぶ電子メールや会計記録、内部文書などが同日遅くインターネット上で公開されたと明らかにしていた。
フランスでは攻撃的かつ世論を深く分断した選挙運動を経て7日に投票が行われる大統領選決選投票で、親欧州連合(EU)で自由貿易を支持する39歳の元銀行家マクロン氏と、反EUの極右候補マリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏が対決する。マクロン陣営へのサイバー攻撃と文書流出は、選挙戦最終盤の意外な展開となった。
フランスの選挙委員会は声明で、「違法な方法で入手され、虚偽の情報も混じっている可能性が高いこのようなデータの流出は犯罪であると分類することができる」と述べた。
マクロン氏陣営の内部文書は、両陣営が選挙運動を終え、日付が6日に変わる少し前にソーシャルメディアで拡散した。マクロン氏陣営はこれについて、「昨年の米大統領選で見られたような、民主主義を不安定化させる」試みだと述べた。
昨年11月の米大統領選民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元米国務長官は、同大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に敗北した原因の一因はロシアによるハッキングであると主張している。
日本の情報セキュリティー大手トレンドマイクロ(Trend Micro)は先月、ロシアのハッカー集団「ポーン・ストーム(Pawn Storm、別名APT28)」が、個人のデータを盗む「フィッシング」と呼ばれるサイバー攻撃の手口でマクロン氏陣営を標的にしていたとする報告書を発表していた。(c)AFP/Joshua MELVIN