決選投票迫るフランス大統領選、両候補の外交政策を読み解く
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【5月6日 AFP】フランス大統領選決選投票で対決する2人の候補の違いが最もはっきり表れているのは、おそらく外交政策だろう。中道のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)氏は国際社会との緊密な関係を求めるのに対し、極右のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏はフランス第一主義を唱えるナショナリズムの旗手だ。
7日の決選投票の結果次第で、フランスと世界との関係がどう変わり得るのか見てみると──。
■欧州連合(EU)
EUにおけるフランスの未来は、大統領選の争点の中心だった。
ルペン氏の欧州蔑視には根深いものがある。彼女はEUが「死ぬだろう」と予測し、フランスのEU離脱「フレグジット」の是非を問う国民投票を実施すると約束した。
ルペン氏は長く、単一通貨ユーロ圏からの脱退と仏通貨フランの復活も訴えてきた。加えて、EU内で旅券なしの越境を認めるシェンゲン(Schengen)圏からの脱退も提唱している。
前経済相のマクロン氏はEUの改革と強化を求めている。彼は19か国が加盟するユーロ圏だけの予算をEUとは別に組むことを提唱。ユーロ圏だけの議会や財務相の創設も提起している。
■ブレグジット
マクロン氏は、EU離脱交渉で英国の思い通りにはさせないと示唆している。
一方のルペン氏は、英国の離脱の決断を「自国の運命の支配権を取り戻した」と称賛している。