【5月5日 AFP】(更新)スペイン1部リーグ、FCバルセロナ(FC Barcelona)のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)とその両親が、不正疑惑により裁判を受けることになった。スペインの裁判所が4日、出廷命令を下した。

 裁判所は詐欺と不正をはたらいたとして、同クラブのジョゼップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)現会長とサンドロ・ロセール(Sandro Rosell)前会長にも出廷を命じらている。

 裁判所は声明でネイマールとその両親に「商取引上の不正があった」とし、さらにバルセロナとカンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)1部のサントスFC(Santos FC)の両クラブに対しても詐欺の疑いで出廷を命じている。

 現在25歳のネイマールが加入して以降、スペインの強豪バルセロナはピッチ上で成功を手にしているが、その鳴り物入りの移籍をめぐって司法上の悪夢に直面することになった。

 事件の発端となったのは、当時サントスに所属していたネイマールの権利のうち、40パーセントを保有していた投資ファンドのDIS社からの訴えだった。

 サントスに支払われた移籍金の40パーセントにあたる680万ユーロ(約8億円)を受け取ったDIS社は、FCバルセロナ、サントス、ネイマールの家族が実際の移籍金の額を隠匿し、支払われる分配金をごまかしたと主張。サントスが実際に受け取ったのは2500万ユーロ(約30億円)とされ、同社は350万ユーロ(約4億円)をだまされたことになる。

 バルセロナは当初、ネイマールの移籍金は5710万ユーロ(約68億円)としていた。このうち4000万ユーロ(約47億円)はネイマールの家族が経営する会社に、残りの1710万ユーロ(約20億円)はサントスに支払われた。

 DIS社はネイマールと代理人を務める同選手の両親に禁錮5年、ロセール前会長とバルトメウ現会長に禁錮8年、バルセロナに対しては1億9500万ユーロ(約240億円)の罰金を請求。検察は移籍時の詐欺罪により、ネイマールに禁錮2年と罰金1000万ユーロ(約11億9000万円)を求刑した。

 スペインでは、初犯における2年以下の禁錮刑の場合は執行猶予が付く。しかしながらDISは、その期間はネイマールがプレーすべきではないと勧告している。(c)AFP/Daniel SILVA