北朝鮮、米国人教授の拘束認める 国営メディアが報道
このニュースをシェア
【5月3日 AFP】(更新)北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は3日、首都平壌(Pyongyang)で米国人の教員1人が当局によって拘束されたことを認める報道を行った。この男性は北朝鮮の有名大学で数週間講義を行い、その後出国のため空港を訪れた際に拘束されたという。米朝間で緊張が高まる中、北朝鮮に拘束された米国人はこれで3人目となる。
4月22日に平壌の空港で拘束されたのはキム・サンドゥク(Kim Sang-Duk)、またはトニー・キム(Tony Kim)との名前を持つ米国人男性。KCNAは、拘束理由について、「DPRK(北朝鮮)の転覆を図り、敵対的な犯罪行為をしていた」としている。
キム氏は平壌科学技術大学(PUST)で会計学を講義していたが、同大学は先月、キム氏が拘束されたことを明らかにした一方で、キム氏の拘束は「PUSTの活動とは何の関係もない」と述べていた。また、北朝鮮で米国の利益代表を務める平壌のスウェーデン大使館が協議に「積極的に関与している」としている。
PUSTは国外の福音派キリスト教系団体が設立し、2010年に開学。米国人の教員らも多数所属していることで知られている。
キム氏は北朝鮮との国境に近い中国の延辺大学科学技術学院(Yanbian University of Science and Technology)の元教授で、同大学のホームページでは会計学が専門と書かれている。
韓国の聯合(Yonhap)ニュースは、キム氏の年齢は55歳で、北朝鮮の地方部で暮らす子ども達への支援活動に関わっていたという。またキム氏をよく知る情報筋の話を引用し、同氏を「信心深く、献身的な男」と伝えている。(c)AFP