【5月3日 AFP】米上院は2日、米証券取引委員会(SEC)の新委員長にウォール街(Wall Street)の著名弁護士ジェイ・クレイトン(Jay Clayton)氏を賛成61、反対37で承認した。一部の民主党議員も賛成票を投じた。ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が大統領就任前の今年1月に指名していた。数日以内に宣誓式が行われる予定。

 クレイトン氏はこれまで主にニューヨーク(New York)を拠点に活動。企業の買収・合併を専門とする米大手法律事務所サリバン・アンド・クロムウェル(Sullivan & Cromwell)のパートナーとして富裕層や企業などのアドバイザーを務めた。大手投資銀行ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)などもクレイトン氏の顧客に含まれていたが、今後は監督する側として関わっていくことになる。

 トランプ政権は、金融機関が過度にリスクを取って構造的な危機が起こることを防ぐため2008年の金融危機後に施行されたドッド・フランク(Dodd-Frank)法(金融規制改革法)の見直しを目指している。

 同法は、投資業界に対する規制当局の権限を大幅に拡大したほか、金融機関に年1回の「ストレステスト(健全性検査)」を実施し堅固な財務基盤を示すことやリスクの高い特定の取引を行わないよう求めている。

 クレイトン氏は上院の指名承認公聴会で、ドッド・フランク法を見直す具体的な計画はないと述べた一方、同法の効果を評価する調査については支持する姿勢を示していた。(c)AFP