ブラジル土地抗争で先住民が襲撃受ける、両手切断の被害も
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【5月3日 AFP】農民と先住民の間で土地をめぐる対立が起きているブラジル北東部マラニョン(Maranhao)州で4月30日、先住民ガメラ(Gamela)が襲撃を受け、少なくとも13人が負傷した。うち数人は銃で撃たれ、少なくとも1人が両手を切断された。複数の人権団体が明らかにした。
暴力や嫌がらせを受ける機会が増加している先住民を支援している現地のカトリック団体「先住民宣教師協議会(CIMI)」によると、襲撃事件は同州ポボアドダスバイーア(Povoado das Bahias)で起きた。別のカトリック系団体によれば、負傷者のうち5人は病院に搬送され、3人は重体。男性1人は銃で2回撃たれた上、両手を切断されたという。
一方、マラニョン州政府は「痛ましい暴力」によって負傷したのは7人だけだったとし、そのうち5人が先住民ガメラだったと発表した。
今回の襲撃の背景には、先住民の土地を取り上げようとする農民が、先住民に対し圧力をかけ続けている状況がある。ブラジル政府は伝統的な先住民の土地を認めているが、厳密な境界線がないため、法による保護が完全ではない。(c)AFP