豪IS戦闘員、6歳の息子を「メディアの道具」として利用 祖母が非難
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【5月4日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員となり、オーストラリア国籍を剥奪された男が、息子である男の子(6)に対しオーストラリア人を殺害するよう仕向ける映像が出回っていることについて、男の子の祖母が1日、地元メディアの取材に応じ、この男が孫を「メディアの道具」にしているとして激しく非難した。
カレド・シャルーフ(Khaled Sharrouf)容疑者がシリアで、異教徒の殺害方法について自身の息子に問いただす様子が捉えられている問題の映像は、先月30日にオーストラリアで出回り始めた。
映像では、男の子が画面外から「どうやってオーストラリア人を殺す?」と問いかけられ、拳銃とナイフを手にして脅しをかけている様子が捉えられていると伝えられている。
オーストラリアで初めて反テロ法に基づき国籍を剥奪されたシャルーフ容疑者は2014年、別の息子が斬首された人々の頭部を手にする画像をツイッター(Twitter)に投稿し、世界的に注目を集めた。
その一方で、男の子の祖母であるカレン・ネトルトン(Karen Nettleton)さんは、この映像に対して嫌悪感をあらわにした。自身の娘であるシャルーフ容疑者の妻は2013年、家族と共にオーストラリアから同容疑者がいるシリアに渡ったが、死亡したとされている。
ネトルトンさんは1日夜、豪ABC放送に対し、映像は「目にした人は誰でも、彼は小さなテロリストだと考えるだろう。父親が息子に対してなぜこんなことができるのか理解できない。本当にわからない」と述べた。
ネトルトンさんは「彼を寝かしつけていたし、歌も歌ってあげた。泳ぎにも連れて行った」と語った上で「彼はまだ6歳の小さな男の子だと分かっているから、打ちひしがれている。彼のことはよく知っている。利用されただけよ、メディアの道具のようなものとしてね」と述べた。
ネトルトンさんには男の子3人と女の子2人の計5人の孫がおり、オーストラリアに帰す取り組みを3年前から続けている。また、この5人はISの思想には染まっていないと主張し、「まだ子どもよ。正しい助けがあれば大丈夫なはずよ」と話した。(c)AFP