受刑者が脱水症状で死亡、7日も独房の水止めた職員らに起訴勧告 米国
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【5月2日 AFP】米ウィスコンシン(Wisconsin)州ミルウォーキー(Milwaukee)郡の刑務所に収監されていた受刑者1人が脱水症状で死亡した件で、裁判所の陪審は1日、刑務所の職員7人が7日間にわたり水の供給を止めたことが死亡につながった疑いがあるとして起訴を勧告する評決を下した。米NBC系列のWTMJが報じた。
幹線道路やカジノで発砲し、1人に重傷を負わせる事件を起こし、精神疾患を抱える受刑者向けの独房に拘禁されていたテリル・トーマス(Terrill Thomas)受刑者(当時38)は2016年4月24日に死亡していた。陪審員らを前に先週行われた審理でトーマス受刑者の死に関して衝撃的な内容が明らかになった。
トーマス受刑者が騒いだため、職員らは独房内の手洗い場とトイレへの水の供給を停止。米地方紙ミルウォーキー・ジャーナル・センティネル(Milwaukee Journal Sentinel)の調査によると同受刑者は死亡するまでの数日間、水を求めて懇願していたという。
同受刑者は体重が7キロも減り、次第に衰弱していきマットレスもない独房のコンクリートの床で死亡した。家族は同受刑者が受けた仕打ちは拷問に等しいとしている。
最終的に刑務所の職員らを起訴するか否かは検察が決定する。
今回の事態を受け、保守派でドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を支持しているミルウォーキーのデービッド・クラーク(David Clarke)保安官の対応に注目が集まっている。(c)AFP