【5月1日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対し2014年に開始された米軍主導の空爆が「意図せずして」命を奪った民間人の数が計352人に上ることが、米軍の発表により明らかになった。

 イラクとシリアに対する米軍主導の有志連合によるIS掃討作戦「不動の決意作戦(Operation Inherent Resolve)」が先月30日に発表した声明によると、民間人の死亡報告42件については現在も調査中だという。

 共同統合任務部隊(CJTF)が算出したこの死者数には、3月17日にイラク第2の都市モスル(Mosul)西部で実施され、大きな被害を与えたとされる攻撃に関する調査の結果が含まれていないが、有志連合の司令官を務める米軍のスティーブン・タウンゼンド(Stephen Townsend)中将は「恐らくわれわれがこれらの犠牲の一端を担った」と述べている。

 一方、米国防総省は、イラクとシリアで2014年8月以降に実施された米軍主導の攻撃による民間人死者80人が、これまでの公式発表に含まれていなかったとしている。

 しかし監視団体など批判的な方面からは、実際の民間人の死者数は米軍が報告する公式集計を大きく上回っているとの指摘が上がっている。

 有志連合はISが民間人を標的とし「人間の盾」として用いているため、最先端の技術をもってしても民間人の犠牲を避けるのは難しいと主張している。(c)AFP