【5月1日 AFP】西アフリカで対テロ作戦「バルカン(Barkhane)」を展開するフランス軍は、マリ北部で過激派の戦闘員約20人を殺害または拘束するなどした。同軍の参謀総長が4月30日、声明で明らかにした。不穏な情勢が続くマリ北部では先月5日に仏軍兵士1人が殺害されている。

 サハラ砂漠(Sahara Desert)南部のサヘル(Sahel)地域を拠点とするイスラム過激派グループの掃討を目的とする仏部隊は、マリ北部ガオ(Gao)の南西で4月29日に掃討作戦を実施。隣国ブルキナファソとの国境に近い森林地帯フォルサール(Foulsare)で仏空軍の戦闘機ミラージュ(Mirage)が武装テロ組織の武器庫数棟を空爆した。参謀総長声明によると、過激派戦闘員約20人を制圧したという。

 2014年に開始された対テロ作戦「バルカン」では、西アフリカのモーリタニア、マリ、ニジェール、チャド、ブルキナファソに4000人近くの兵士が展開している。

 マリでは2012年、北部の遊牧民トゥアレグ(Tuareg)人が主導する反政府勢力の武装蜂起に国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」系列のイスラム過激派グループが便乗。北部地域はイスラム過激派グループの支配下に置かれていたが、2013年1月にフランス軍主導の掃討作戦でほとんどの地域は奪還された。それでも依然として過激派グループはマリ北部や中部で市民やマリ軍、フランスや国連の駐留部隊への攻撃を繰り返している。(c)AFP