【4月30日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員となり、オーストラリア国籍を剥奪されたカレド・シャルーフ(Khaled Sharrouf)容疑者の8歳の息子とみられる少年が自爆ベストを着用し、同国国民を殺害すると脅迫している映像が撮影されたと現地メディアが報じ、豪警察当局は30日、報道について調査をしていると明らかにした。

 映像は、2月にオーストラリアで初めて反テロ法に基づき国籍を剥奪されたシャルーフ容疑者の最年少の息子のものとみられる。

 現地紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)の日曜版サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)によると、最近撮影されたとみられる映像には、銃2丁とナイフを持ち、カメラに映っていない人物から「どうやってオーストラリア人を殺す?」などと聞かれ、脅しをかける言葉を発する少年が映し出されているという。

 シャルーフ容疑者は2013年に家族とともにオーストラリアを出国してシリアに向かい、2014年に斬首された人たちの頭部を持った別の息子の画像をツイッター(Twitter)に投稿し、世界的に注目を集めた。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州の警察は声明で、同州のテロ対策チームは「ISIS(ISの別称)の名の下で脅迫行為をしている未成年を撮影し、中東から発信されている動画」を調査していると述べた。ただ、具体的な脅威は確認されておらず、国のテロ脅威レベルは「Probable(起こりそうである)」のまま変更はないとした。

 シャルーフ容疑者の妻は昨年死亡したとされており、妻の母親が同容疑者と妻の5人の子どもをオーストラリアに帰国させようと試みたが、実現しなかった。

 シャルーフ容疑者自身も、2015年に無人機による空爆でイラクで死亡したと伝えられたが、その後の報道などにより死亡の信ぴょう性は疑われている。(c)AFP