【5月15日 AFP】60代前半の白髪の女性が、さまざまなマリフアナが載った皿を優雅に鼻に寄せ、そのにおいを慎重にかいだ。女性は「健康に問題がある人へのおすすめはどれですか?」と尋ねた。

 スイス西部のマリフアナ販売店「ドクター・グリーン(DrGreen)」。共同創業者のポール・モノ(Paul Monot)さんが店番をする店内には、鮮やかな緑色の大麻草が描かれた宣伝ポスターが張られていた。

 スイスではマリフアナを堂々と販売する店が全土で増えている。完全に合法だ。ただし難点がある。このマリフアナを使ってもハイにはなれないことだ。

 アルプス(Alps)山脈を有する富裕国スイスでは2011年以来、使用者の気分を高揚させる成分、テトラヒドロカンナビノール(THC)の含有量が1%以下のマリフアナが合法的に販売・消費されている。ほとんどの欧州諸国がTHC含有量の上限を0.2%としているのとは対照的だ。交配種の大麻草のTHC含有量を安定して0.2%以下に抑えることは不可能なことが判明しているので、他の欧州諸国はマリフアナの販売を全面的に禁止しているのに等しい。

 一方、スイスは特に別の活性成分カンナビジオール(CBD)を有効活用することを目的に、麻薬用ではない大麻草の大規模栽培実現に意欲的だ。CBDは化粧品からペットフードまでさまざまな商品で使われており、潜在的な健康効果を評価する声も高まっている。