西サハラ和平交渉再開に期待、国連安保理 全会一致で決議採択
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【4月30日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は28日、西サハラ(Western Sahara)問題の解決に向けた和平交渉の再開に向けた決議を全会一致で採択した。
国連のステファン・デュジャリック(Stephane Dujarric)報道官によると、西サハラの独立を求める武装組織「ポリサリオ戦線(Polisario Front)」が27日から28日にかけてモーリタニア国境に近いゲルゲラット(Guerguerat)地区から撤退したことを、国連監視団の軍事要員が確認した。
モロッコ政府がこの地域で舗装道路の建設を始めたことを受け、ポリサリオ戦線は昨年、ゲルゲラット地区に新たな軍事駐屯地を設置。すぐ近くにモロッコ軍の駐屯地があるため緊張が高まったが、モロッコは今年2月、国連の求めに応じてこの地域から撤退していた。
国連安保理は、新たな和平イニシアチブと、1991年からモロッコとポリサリオ戦線の停戦監視を主な任務としている国連西サハラ住民投票監視団(MINURSO、450人規模)による平和維持活動(PKO)の1年延長を認める決議を、全会一致で採択した。
モロッコのナッセール・ブリタ(Nasser Bourita)外相は29日、記者団に対し、ポリサリオ戦線の撤退と安保理決議を歓迎する意向を示した一方、モロッコ政府として引き続き事態を注視していく考えを明らかにした。
ポリサリオ戦線を支持してきたアルジェリアのラムタン・ラマムラ(Ramtane Lamamra)外相は、この決議は西サハラの「(和平)プロセスを再開させる外交的成果」だとする声明を発表した。