マケドニア議会、少数派の議長選出でデモ隊乱入 議員ら100人負傷
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【4月28日 AFP】(更新)旧ユーゴスラビアのマケドニアの議会で27日、少数派のアルバニア系議員が議長に選出され、これに抗議するマケドニア系住民のデモ隊100人ほどが議事堂内に乱入して、野党党首を含む複数の議員ら100人余りが負傷する騒ぎとなった。デモ隊は警察が数時間かけて排除したが、その後も議事堂の外で2000~3000人が抗議を続けた。
地元メディアによると、騒ぎが起きたのは最大野党・社会民主同盟(SDSM)とマケドニア系の複数政党が採決を強行してマケドニア系のタラト・ジャフェリ(Talat Xhaferi)議員を新議長に選出した後だという。
SDSMと対立する右派の前与党・マケドニア民主党連合(VMRO-DPMNE)の支持者ら約100人は、マケドニアの旗を掲げ、国歌を歌いながら議会に乱入。記者室にも侵入し、椅子や三脚を投げるなどした。現場にいたAFP写真記者によると、デモ隊には覆面をした人も多く含まれていた。
この騒ぎで、SDSMのゾラン・ザエフ(Zoran Zaev)党首が頭部から出血する姿が確認されたほか、アギム・ヌヒウ(Agim Nuhiu)内相によると議員10人が負傷。内務省の28日の発表によると、警官らを合わせて102人が市内の病院で手当てを受けた。
マケドニアでは昨年12月の議会選で、10年にわたり政権を握ってきたVMRO-DPMNEが120議席中51議席を獲得し、2議席差でSDSMを破った。しかし、アルバニア系政党との連立交渉に失敗し、政権が発足できない状態が続いている。マケドニア系住民らはSDSMとアルバニア系政党の連立政権樹立は国家の結束を脅かすとして反対しており、首都スコピエ(Skopje)では連日デモが行われている。(c)AFP/Jasmina MIRONSKI