拉致された国連専門家2人の殺害映像、コンゴ当局が公開
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【4月25日 AFP】アフリカ中部、コンゴ民主共和国の当局は24日、同国のカサイ(Kasai)地域で先月遺体となって発見された国連(UN)の専門家2人の殺害場面とみられる凄惨(せいさん)な映像を報道陣に公開した。
同国が国連の武器禁輸措置に違反している可能性について調査するため現地入りしていた米国人のマイケル・シャープ(Michael Sharp)氏とスウェーデン人のサイダ・カタラン(Zaida Catalan)氏は3月12日、コンゴ人4人と共に拉致され、2週間後に遺体で発見された。
当局が公開した2分間の動画には、両氏に似た男女が、カサイ地域の主要言語であるツィルバ語を話し、なたや棒で武装した7人に囲まれて写っている。うち1人は古い銃を持っていた。映像の中で武装した男らは通訳者を介し、林の中にある集団墓地の場所を教えると約束している。不安そうに見える白人の男性はアクセントに特徴のあるフランス語で、通訳者に「彼らはなぜ、武装していて怒っているのか」と尋ねるが、外国人2人は号令がかかる間もなく直ちに地面に座らされて撃たれる。さらに1人はその後斬首されている。
コンゴ政府のランバール・メンドゥ(Lambert Mende)報道官は記者団に対し、昨年政府軍に殺害された部族勢力のカムウィナ・ンサプ(Kamwina Nsapu)首長の配下の者たちの殺害方法だと述べ、「何としても一掃しなければならないテロリストのやり方」を示すものだと語った。
■国連「公開すべきでなかった映像」と非難
この映像について国連は同日、捜査を阻むと同時に殺害された2人の遺族に衝撃を与えるものだとして、公開したコンゴ当局を批判した。
コンゴ政府は2人の殺害に同政府が関与しているのではないかという疑いを晴らすために映像の公開に踏み切ったとみられているが、国連のステファン・デュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は「映像は犯罪の証拠だ。公開すべきではなかったとわれわれは考える」と述べた。また映像は本物だと認めつつ「遺族にとってどれほど衝撃的だろうか」と非難した。
この事件をめぐっては今月に入り、容疑者2人が拘束されたが、1人は警護していた警官の助けにより逃亡した。
ダイヤモンドが豊富に産出するカサイ地域は、昨年8月にカムウィナ・ンサプ首長が殺害されて以降、蜂起が始まり、これまでに数百人が殺害されている。(c)AFP