【4月26日 AFP】カナダのオンタリオ(Ontario)州は24日、貧困層を対象とするベーシックインカム(最低所得保障)制度の試験導入開始を発表した。受給者と公共財政への影響を測る。

 貧困ライン以下で生活する4000人を対象に3年間にわたって支給される。同州のキャスリーン・ウィン(Kathleen Wynne)州首相は「ベーシックインカムが人々の暮らしに良い影響をもたらすかどうか見極めたい。オンタリオ州の経済成長の恩恵はすべての人が受けるべきだ」と述べた。

 収入を補助する額は各年、単身者の場合で1人当たり最高1万6989カナダドル(約140万円)、夫婦で最高2万4027カナダドル(約195万円)で、障害者にはさらに6000カナダドル(約50万円)が支給される。同州では試験事業全体にかかる額を年間5000万カナダドル(約40億ドル)と見積もっている。

 オンタリオ州はカナダで最も人口が多く、同国の全人口3650万人のうち38%が居住している。一方、カナダ統計局(Statistics Canada)によると、オンタリオ州の住民のうち13%が貧困ライン以下で生活している。(c)AFP