フィリピン大統領を「大量殺人」で国際刑事裁に告発 地元弁護士
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【4月25日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が進める「麻薬戦争」によって約8000人が死亡したとして、同国の弁護士が24日、オランダのハーグ(Hague)にある国際刑事裁判所(ICC)にドゥテルテ氏らを告発した。
弁護士のジュード・サビオ(Jude Sabio)氏はICCの検察官にドゥテルテ氏とフィリピン政府高官らに対する捜査の開始を要請。「フィリピンで継続的に大量殺人を行い、恐ろしい陰惨な状況をもたらしている」として、同氏らを人道に対する罪で訴追するよう求めている。
サビオ氏はドゥテルテ氏について、1988年にダバオ(Davao)市長に就任して以降「麻薬中毒者や密売人ら犯罪が疑われる人の戦略的または組織的な排除・殺害」を始めたと述べている。
サビオ氏は、ダバオ市長だったドゥテルテ氏の元で暗殺部隊の一員だったと議会上院で証言したエドガー・マトバト(Edgar Matobato)氏の弁護人を務めている。
告発状では「ドゥテルテ大統領は『繰り返し、変わることなく』大量殺人を行い、ダバオ市長時代の暗殺部隊によって少なくとも1400人、国レベルでは麻薬戦争によって少なくとも7000人が死亡している」と指摘している。
フィリピン政府は疑惑を否定しており、エルニエ・アベラ(Ernie Abella)大統領報道官も24日、既に警察が「手続きに違反した」疑いのある人物らの捜査を進めていると強調。「超法規的な殺害と言われるものを国は認めていないし、支援もしていない。警察当局は業務手続きの順守が求められる合法な捜査を行っている」と主張した。(c)AFP/Sophie MIGNON