【4月21日 AFP】韓国大統領選の候補で、旧与党セヌリ党(Saenuri Party)を改称した「自由韓国党(Liberty Korea Party)から出馬している洪準杓(ホン・ジュンピョ、Hong Joon-Pyo)氏(62)が21日、自伝で学生時代に友人らとデートレイプを試みたことがあるとした記述を否定した。しかし、有権者からは怒りの声が高まっている。

 検察官から政界に転身した洪氏は、扇動的で遠慮のない物言いや性差別的な発言で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領とよく比較される。

 その洪氏は2005年に執筆した回顧録で、名門・高麗大学(Korea University)の1年生時に学生寮のルームメートに「興奮剤を入手するよう」複数の友人と一緒に頼まれ、ルームメートが好意を抱いた女性に飲ませるためにその薬物をビールに混ぜたと記述していた。

 さらに洪氏は自伝で、真夜中を過ぎて寮に帰って来たルームメートの顔にはひっかき傷があり、シャツは破れ「薬は効かなかったと彼は言った。服を脱がそうとしたら女性は目を覚まし、かみついたり、彼の顔をひっかいたりして激しく抵抗したと言った」と書いている。

 さらに「彼が『本物の薬だったら効くはずだったのに』と言うので、私たちは『本物だよ。あの薬は田舎でブタに交尾させるときに使うもので、人間にも効くと言われた』と答えた」と記している。

 後に検察官になった洪氏は同書の中で、この出来事を「何て悪質ないたずらだったのだろう」と振り返り「もう一度あのときに戻れたら、二度とあのような悪ふざけには加わらない」と書いている。

 しかし5月9日の大統領選を控え、洪氏のこの告白に怒りの声が上がっている。あるネットユーザーは「性犯罪はいたずらだって?大統領候補失格だ」と投稿した。

 同じ保守派の対立候補、劉承●(ユ・スンミン、Yoo Seung-Min)氏は報道陣に対し、「どうして彼のような人物が大統領候補になれよう?性犯罪に加担し、その体験を著書の中で自慢している。犯罪心理学の実例として研究対象にすべきだ」と語った。

 一方、洪氏は21日、その話は別の学校の学生だった他の寮生から「聞いた」もので、自分は計画に参加していないと述べ、自らの回顧録の記述に対し距離を置いた。洪氏は、それについては本の出版時に「明確にした」はずだと報道陣に語り、出版当時は今よりも洪氏が目立っていなかったために反応も限られており、「これは有力候補として登場したからってことだよね」と述べた。(c)AFP/Park Chan-Kyong

※●は日へんに文