【4月20日 AFP】IT系を中心とする米企業160社余りが19日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の入国制限令の差し止めを求める意見書を連邦第4巡回区控訴裁判所に提出した。アマゾン・ドットコム(Amazon.com)やフェイスブック(Facebook)、グーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)といったIT大手も名を連ねている。

 訴訟の当事者でない第三者が提出する意見陳述書である「アミカスクリエ意見書」に署名したのは、数社を除きすべてIT企業。トランプ氏が3月に発令した難民とイスラム圏6か国の国民の入国を制限する大統領令について、宗教に基づく差別であり、また米国への入国許可に関するルールの変更は大統領権限を逸脱していると非難している。

 インターネット上に公開された意見書の中で、弁護士らは「2つ目の大統領令は米国への入国管理規定を根底から変えるものだ。米企業やその従業員、さらには米経済全体に、著しい損害をもたらす」と主張。入国制限令によって米企業は有能な人材を獲得することが難しくなり、人件費も上がって競争力が低下するうえ、国際企業は移民の受け入れに寛容な他国に投資するようになると指摘している。

 トランプ氏の3月の入国制限令をめぐっては、複数の連邦地裁が執行の一時差し止めを命じ、全米で効力が停止中。トランプ政権にとっては屈辱的な敗北となっている。

 トランプ氏は、米国の安全保障と過激派の入国阻止のために入国制限令は必要だと強調している。(c)AFP