欧州CL敗退で「おとぎ話」終幕、現実に戻るレスターが向かう未来
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【4月20日 AFP】昨季のイングランド・プレミアリーグを制し、世界に驚きを与えたレスター・シティ(Leicester City)だが、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準々決勝でアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)の前に敗退したことで、奇跡の「おとぎ話」に幕を下ろした。
チャンピオンズリーグ初出場のレスターは、ほぼ隙のない戦いでグループリーグを突破すると、決勝トーナメント1回戦ではセビージャ(Sevilla FC)との激闘を制して勝ち上がり、クラブ全体が欧州最高峰の手に汗握る戦いに酔いしれた。
レスターが成し遂げた大会初出場でのベスト8入りは、1992年に名称が変わって以降のチャンピオンズリーグでは、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)やマンチェスター・シティ(Manchester City)、アーセナル(Arsenal)を上回る好成績だ。
アトレティコには2試合合計スコア1-2で屈したものの、第2戦で披露した戦う姿勢は各所から称賛を集めた。敵将のディエゴ・シメオネ(Diego Simeone)監督は試合後、レスターの選手一人一人の健闘をねぎらい、19日の英各紙では「勇敢」の形容詞が最も多く使われた。
しかし、これからは以前と同じ日常が戻ってくる。クラブOBのギャリー・リネカー(Gary Lineker)氏は、アトレティコ戦終了後にツイッター(Twitter)で「レスターファンの生活は日常に戻るが、それでも心躍る素晴らしい日々だった」とコメントした。
現在リーグ12位のレスターが、欧州最高の舞台に再び舞い戻るには時間がかかるとみられている。OBのトニー・コッティ(Tony Cottee)氏は、「クラブに関わる全員にとって夢のような経験だったし、一生の思い出だ。しかし、レスターがもう一度チャンピオンズリーグで戦う姿を見ることは、私が生きている間はないだろう」と語った。
本拠地キングパワー・スタジアム(King Power Stadium)をつかの間ながらスポーツ界の中心に引き上げ、めまいがするほどの高みでの12か月が終わり、クラブの行く手には不透明な未来が待ち受けている。
退任したクラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)監督の後を継ぎ、チームを復活させたクレイグ・シェークスピア(Craig Shakespeare)監督だが、契約は今季終了までで、オーナーのタイ企業が続投を要請するのか、それともクラブを次の段階に進めるために経験豊富な監督を招へいしようとするのかはわからない。
選手についても、昨オフはヌゴロ・カンテ(N'Golo Kante)がチェルシー(Chelsea)に移籍しただけで、優勝メンバーのほとんどを残留させることに成功したが、大舞台の興奮を味わった今、リヤド・マフレズ(Riyad Mahrez)やジェイミー・バーディー(Jamie Vardy)らが欧州最高の舞台に近いクラブに新天地を求めたとしても不思議ではない。