【4月17日 AFP】化学兵器を使用した疑いのあるシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権に対し国際的な批判が集まるなか、英国の国会議員らが16日、自国政府に対してアサド大統領の妻のアスマ(Asma al-Assad)夫人(41)から英国籍を剥奪するよう求めた。議員らはアスマ夫人が英国市民という立場を利用し、内戦を続けるアサド政権を正当化していると主張している。

 自由民主党(Liberal Democrats)の外交担当のスポークスマンを務めるトム・ブレイク(Tom Brake)議員は、夫人が「残忍な政権」を擁護するために世界的な知名度を利用していると非難した。

 ブレイク氏は「(英外相の)ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)氏はシリアに対する行動を強化するよう働き掛けているが、英国政府もアスマ夫人に対して自身の地位を利用して(アサド政権の)残忍な行為を正当化するのをやめるか、さもなくば国籍を剥奪すると迫れるはずだ」と主張した。

 ジョンソン外相は同日付の英日曜紙サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)に発表した論評で、アサド大統領を「第一級のテロリスト」と名指しし、シリアの同盟国であるロシアにアサド政権への支援をやめるよう訴えていた。

 与党保守党のナディム・ザハウィー(Nadhim Zahawi)議員もブレイク氏に同調する姿勢を示し、英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)に「戦争犯罪を犯しているプロパガンダ機関に大きく関与しているアスマ夫人も含め、あらゆる方面からアサド氏を追い詰める時が来た」とのコメントを寄せた。

 アスマ夫人はシリアと英国の二重国籍を保有しているとみられ、シリア大統領府のインスタグラム(Instagram)のアカウントに支持者らと撮った自撮り写真を投稿するなどして、あまり公に姿を現さないアサド大統領を支えている。(c)AFP