米裁判所、アーカンソー州の「11日間に8人」死刑執行を差し止め
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【4月16日 AFP】米南部アーカンソー(Arkansas)州の連邦地裁は15日、同州で予定されていた一連の死刑執行を差し止める判断を下した。同州では今月17日から27日までの11日間に8人という、前例がないほど集中的な死刑執行を計画しており、死刑反対派による抗議運動が国内外で巻き起こっていた。
アーカンソー州東部地区連邦地裁のクリスティン・ベーカー(Kristine Baker)判事は、同州では2005年以降、一度も死刑が執行されていないと指摘した。判事はまた、死刑囚も「残酷で異常な刑罰」を禁止した米国憲法修正第8条の権利下にあるとし、論議の的となっている3種類の薬物の注射による死刑執行計画に歯止めをかけた。
ベーカー判事の判断は死刑囚9人を対象としたもの。内訳は今月執行される予定だった6人のほか、先に執行停止とされていた2人と執行予定が未定だった1人。この他、アーカンソー州最高裁は先に精神疾患のある死刑囚1人の刑の執行を一時停止していた。その数日前には別の死刑囚にも同様の措置が取られていた。
アーカンソー州のレスリー・ラトレッジ(Leslie Rutledge)司法長官の報道官は控訴する意向を示し、「連邦地裁判事が、法の執行を土壇場で遅らせようとしている死刑囚たちの味方をしたのは残念なことだ」と述べた。
同州政府は、薬物注射に使用される薬物の一つ、催眠鎮静剤のミダゾラム(Midazolam)の使用期限が迫っていることを理由に、8人の死刑執行を急ぐ計画を立てたが、直前になり相次いで司法の壁に直面している。
14日には、同州プラスキ(Pulaski)郡の巡回裁判所が、死刑の薬剤注射に使われる薬物のうちの一つ、臭化ベクロニウムの使用を一時的に禁じる命令を下した。ウェンデル・グリフェン(Wendell Griffen)判事は、この薬物を販売した米医薬品卸売会社マクケッソン・コーポレーション(McKesson Corporation)が求めている死刑執行での同薬剤の使用禁止について検討する時間が必要だと判断した。(c)AFP/Sébastien BLANC