米国で12年にわたり女性器切除、医師逮捕 連邦法適用は初か
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【4月14日 AFP】米当局は13日、12年にわたって6~8歳の少女に女性器切除(FGM、女子割礼)を行ってきたとして、ミシガン(Michigan)州デトロイト(Detroit)の医師(44)を逮捕・訴追したと発表した。国際的な非難を集めている女性器切除は米国では違法とされており、連邦法が適用されたのは今回が初めてとされる。
逮捕・訴追されたのは、救急医療に携わる医師のジュマナ・ナガルワラ(Jumana Nagarwala)容疑者。裁判で有罪と認められれば最高で終身刑を言い渡される可能性がある。
被害者の中にはミシガン州外から連れてこられ、処置について口外しないように言われていた人もいたという。
米司法省のケネス・ブランコ(Kenneth Blanco)次官補代理は「ナガルワラ医師は最も無防備な人たちに対しておぞましい蛮行をした疑いがもたれている」と述べた。
米連邦議会は1996年に18歳未満の女性器切除・切開を禁止する法案を可決。国内の25州も法律でこの行為を禁じている。ジョージア(Georgia)州の裁判所は2006年、2歳の娘の性器をはさみで切除した男に対して有罪判決を下しており、これが女性器切除で有罪とされた全米初の例となった。
ミシガン州の検察当局によると、女性器切除が疑われる事案で連邦法に基づく訴追は今回が初めてとみられるという。
米疾病対策センター(CDC)の推計によれば、米国内の成人女性・少女で2012年時点で女性器切除を受けていたか受ける危険がある人は51万3000人と、1990年の3倍に増えた。この慣習が存在する国々からの移民が増加したことが原因だ。
国連(UN)によると、世界では30か国で少なくとも2億人が何らかの形の女性器切除を受けており、半数はエジプト、エチオピア、インドネシアの3か国の女性が占めている。女性器切除の慣習が残る国はアフリカに集中しているが、アジアやアラブ諸国、中南米の一部でも広く行われている。(c)AFP