【4月13日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は12日、南シナ海(South China Sea)の南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)を全面的に占領し「フィリピン国旗を立てよ」と軍に命じた発言を撤回した。

 ドゥテルテ大統領は公式訪問中のサウジアラビアで、現地のフィリピン人約2000人を前に「中国との友好関係のため」「私は(南沙諸島に)フィリピン国旗を立てには行かない」と発言。「どの島にも行くつもりはない。息子を派遣するかもしれないが、それは、われわれの主張が全世代のフィリピン人に明らかにふさわしいことを示すためだ」と語った。

 この発言を受け、聴衆からは拍手が起きた。

 南沙諸島はフィリピンや中国など数か国が領有権を争う。ドゥテルテ氏は6日、南沙諸島について「全て占領するよう軍に命じた」「構造物を建て、フィリピン国旗を立てる」と報道陣に表明。フィリピンが実効支配するパグアサ島(Pag-asa Island、中国名:中業島、Thitu Island)を「フィリピン独立記念日(12日)に訪れ、国旗を掲げるかもしれない」と語っていた。

 しかし、この発言は波紋を呼び、大統領報道官や軍関係者は発言の意図について、フィリピンが実効支配する9つ余りの島しょ・岩礁にある施設の改修のことだと釈明していた。(c)AFP