【4月13日 AFP】ブラジル連邦最高裁は12日までに、同国政財界を揺るがしている大規模な汚職への関与が疑われるとして、少なくとも8人の現職閣僚を含む108人の捜査を検察当局に命じた。捜査対象には上院議員の3分の1、下院議員40人も含まれている。汚職疑惑が拡大する中、政府は影響の払拭(ふっしょく)に躍起になっている。

 捜査対象となっている政治家らには、国営石油会社ペトロブラス(Petrobras)が絡んだ建設大手オデブレヒト(Odebrecht)の大規模な汚職スキャンダルをめぐり、多額の贈収賄や着服に関与した疑いがかけられている。違法資金は主要政党の選挙活動費に充てられていたとされる。

 昨年夏のリオデジャネイロ五輪開催時の市長だったエドゥアルド・パエス(Eduardo Paes)氏も、五輪関連事業をめぐって1500万レアル(約5億2000万円)超の賄賂を受け取った疑いで捜査対象となっている。

 現地メディアは一連の汚職スキャンダルを「政治的激震」「爆弾」などと伝えており、既に支持率の急落にあえぐミシェル・テメル(Michel Temer)大統領の政府中枢と連立与党には動揺が広がっている。(c)AFP/Damian WROCLAVSKY, Eugenia LOGIURATTO with Damian WROCLAVSKY