平壌で国際マラソン大会、外国人ランナーとハイタッチも 北朝鮮
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【4月9日 AFP】(訂正、写真追加)北朝鮮の首都平壌(Pyongyang)で9日、平壌国際マラソンが開催された。このマラソン大会は、国際社会から孤立した北朝鮮の年間の観光カレンダーにおいて山場ともいえる大イベントで、金日成競技場(Kim Il-Sung Stadium)では多数の外国人ランナーたちがスタートラインに並んだ。
収容人数が4万人を超える金日成競技場を埋め尽くした観客たちは、ランナーたちが人工芝のフィールドに姿をみせると熱烈に称賛した。競技場には、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の祖父、故・金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席と、父の故・金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の肖像画が飾られ、笑顔で競技場を見下ろしている。
平壌国際マラソンは、故・金日成主席の生誕105周年の記念行事の一環として開催され、スタンドの一部には高官らの姿も見られ、そのうち少なくとも4人は軍服姿だった。
出場ランナーは約2000人で、その半分以上は主に欧米からの外国人。
男子の部で優勝したのは北朝鮮のパク・チョル(Pak Chol)選手(27)で、タイムは2時間14分56秒だった。平壌国際マラソンでのパク選手の優勝は3度目。女子の部も2時間29分22秒でゴールした北朝鮮のチョ・ウンオク(Jo Un-Ok)選手が1位だった。
北朝鮮は核開発やミサイル発射を繰り返しており、先週にも日本海(Sea of Japan)に向けて弾道ミサイルを発射している。このため国連(UN)は北朝鮮に複数の経済制裁を科している。それでも平壌国際マラソンの当日、沿道には大勢の人々が並び、声援を送ったりランナーたちとハイタッチを交わしたりしていた。通常、外国人が北朝鮮の一般市民と交流する機会はほぼない。
北朝鮮への観光は国連による制裁の対象ではない。しかし米国政府は自国民に対し北朝鮮への渡航を回避するよう強く勧告している。朝鮮半島で緊張が高まる中、米国は空母群を同半島に向けて航行させている。(c)AFP