比軍、ドゥテルテ大統領の南沙諸島「占領」発言をトーンダウン
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【4月7日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が南シナ海(South China Sea)の南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)を「全面的に占領」するよう軍に命じたと発言したことに絡み、軍は7日、計画しているのは新たな陸地を奪うことではなく、同諸島でフィリピンがすでに実効支配している島しょ群にある施設の改修・改善だと述べた。
扇動的な発言が多いドゥテルテ大統領は6日、南沙諸島の「9または10か所」の島しょ・岩礁を占領し要塞化したいと述べていたが、それがすでにフィリピン領とされている島しょ群についてなのか、それとも他国と領有権を争っている他の約40の島しょ・岩礁の一部についてなのかは明確にしなかった。
7日になってフィリピン軍のエドガルド・アレバロ(Edgard Arevalo)報道官は「大統領の命令のわれわれの受け取り方は、わが国がすでに領有している島しょ・岩礁などにある施設を改善せよということだ」と述べた。
また、レスティトゥート・パディージャ(Restituto Padilla)軍報道官も、ドゥテルテ大統領の命令が軍にさらなる岩礁などの占領を求めているものとは思わないと語った。
フィリピン国防省はこの計画について、同国が現在実効支配している島しょ・岩礁などに軍の兵舎や海水淡水化装置、発電機、灯台、漁業者のための避難施設などを新たに設置することだと述べた。
一方、エルネスト・アベリャ(Ernesto Abella)大統領報道官は「つい先ごろ、大統領は(フィリピンが実効支配している)パグアサ島(Pag-asa Island、中国名:中業島、Thitu Island)の開発計画を改善することを発表したが、これには9か所が含まれる」と述べ、「これは最善の国益に資するための(大統領の)統治権の一部だ」と語った。(c)AFP