【4月6日 AFP】米飲料・食品大手ペプシコ(PepsiCo)は5日、モデルのケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)さんが出演するテレビCMの打ち切りを明らかにした。

 CMには、警官による黒人男性の射殺がきっかけとなった抗議運動「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter、黒人の命は大切だ)」を連想させるデモ隊が登場し、ソーシャルメディア上では、ペプシコが社会的正義を求める運動を利用して利益を得ようとしているとの非難の声が上がったり、冷笑を買ったりした。

 ペプシコは声明で「当社は団結や平和、理解の世界的なメッセージを発信しようとしていた。しかし的外れだった。謝罪する」と述べた。

 CMは、ジェンナーさんがデモ行進する人々の間を通り抜け、警備にあたっている警察官の1人にペプシの缶を手渡し、デモの参加者らから歓声が沸くという内容。

 米国の公民権運動を主導した故マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師の娘、バーニス・キング(Bernice King)さんもこのCMに反応した一人で、ツイッター(Twitter)に父親のキング牧師が警察官に押される写真を掲載し「父がペプシの力を知っていれば」とコメントした。

 ソーシャルメディアではこのCMが悪趣味だとする指摘が相次いでいる。またユーザーの一部は、ジェンナーさんがペプシの缶を警察官に手渡す様子は、昨年、ルイジアナ(Louisiana)州で行われた抗議運動で、路上に一列に並ぶ警察官たちの前に歩み寄った女性看護師を連想させると指摘している。(c)AFP