世界の樹木種を初調査、9600種が絶滅危機
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【4月6日 AFP】地球規模の樹木種データベースが5日、公開され、現存する計6万65種の樹木種が確認された他、絶滅の危機に直面している9600種についても明らかになった。
英ロンドン(London)に本拠を置く植物園自然保護国際機構(BGCI)によると、世界で最も多様な樹木個体群が存在する国はブラジルで、8715種が確認されたという。また、その国にしか存在しない固有種も4333種に上り、世界最多だった。
樹木種全体の58%は単一国固有種。マダガスカルの固有種は2991種、オーストラリアでは2584種だった。
樹木種がブラジルの次に多いのはコロンビアで5776種。これにインドネシアの5142種が続いた。
世界各地にある約2500の植物園を代表する組織のBGCIは、今回の樹木種リストを作成するために、500件以上の公開資料からデータを集めた。
樹木種6万65種のうち、保全状況の評価が行われているのは2万種前後にとどまり、うち9600種が絶滅の危機に直面している。
BGCIは声明を発表し、「今回のリストを公開した主な理由は、希少で、絶滅の危機に直面している樹木種の保全に取り組んでいる人々にツールを提供することだ」と述べた。
また、「現在およそ1万種の樹木種が絶滅の危機に直面していることが知られている。その大部分は森林伐採や過剰開発によるものだ」「この数字には、野生に残存する個体数50未満の絶滅危惧種300種あまりも含まれている」と説明した。
毎年2000種前後の新種植物が発見・登録されており、樹木種データベースも継続的に更新される予定という。(c)AFP