SNSで10代の自殺扇動か 「死の集団」の存在が明らかに ロシア
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【4月5日 AFP】10代の若者の自殺が相次いでいるロシアで、人気の高い交流サイト(SNS)で若者に自殺を扇動しているとされる「死の集団」の存在が明らかになり、パニックが起きている。
報道によれば、ロシア版フェイスブック(Facebook)「VK」には「メンター(指導者)」的な存在が運営する秘密のグループが複数あり、参加メンバーに自殺を唆しているという。
ロシアの独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)による昨年の調査でこうした集団が明るみになったことから、10代の子どもを持つ保護者は動揺し、自殺の話題が一般的にタブーとされている同国では激しい論争が巻き起こった。
サンクトペテルブルク(St. Petersburg)当局は昨年11月、15歳の若者にVK上で自殺を教唆したとして、死の集団のメンターの一人であるフィリップ・ブデイキン(Filipp Budeikin)容疑者(22)を逮捕。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も事態に懸念を表明し、今月に入り、同容疑者に対して現行では最高3年の禁錮刑以上の厳罰を求めた。
ノーバヤ・ガゼータの報道によると、2015年11月~2016年4月の間に国内で自殺した計130人のうちの数十人は10代で、VK上の死の集団によって自殺に追い込まれていたという。死の集団はカルト的なグループを拡大しながらも、実態は謎に包まれたままだ。
ブデイキン容疑者は、身柄を拘束される前に地元メディアのインタビューに応じ、自身にとって10代の若者は「生物分解する廃棄物」であり「社会に無価値な人間」だとして、若者たちを引き付ける手口を説明。
「初めに、非日常的な雰囲気に陥れるような抑うつ的なコンテンツのグループを(SNSで)立ち上げる」「ユーザーがリンクをクリックして非公開グループに入ってきたら、ゲーム開始だ」と語っている。