【4月4日 AFP】妊娠期間の最初の3か月(第1三半期)の過体重または肥満は、生まれる子どものてんかん発症リスクの上昇に関連しているとの研究論文が3日、発表された。

 米医学誌「JAMAニューロロジー(JAMA Neurology)」に発表された今回の研究は、スウェーデンの子ども140万人を対象にした調査データに基づくものだ。

 スウェーデン・カロリンスカ研究所(Karolinska Institutet)のネダ・ラザズ(Neda Razaz)氏が主導した研究結果によると、子どものてんかんリスクは、母親の妊娠早期の肥満度に関連して上下するという。

 論文は、スウェーデンで1997年~2011年に生まれた子ども140万人の0.5%(7592人)が、2012年末までにてんかんと診断されたことを明らかにしており、また体格指数(BMI)が25~30の「過体重の母親から生まれた子どものてんかん発症リスクが11%上昇した」としている。

 身長と体重の比率に基づいて算出されるBMIの平均値は、おおむね18.5~24.9の範囲とされる。

 BMIが30以上35未満の肥満に当たる母親から生まれる子供のてんかん発症率は、標準体重の母親を持つ子供よりも20%高かった。BMIが35以上40未満の女性では、同30%となった。さらに極度の肥満の場合、この確率は82%に跳ね上がったとされる。

 てんかんは脳の病気の一種で、原因についてはまだ未解明の部分が多い。調査データに基づく今回の研究では、てんかんリスクの上昇がみられる原因の追究までには至らなかった。この原因は、遺伝要因と環境要因を含む可能性がある。

 研究チームは、妊娠中の過体重や肥満によって、乳幼児の脳が損傷を受けるリスクの上昇や、肥満が引き起こす炎症によって神経発達に影響が生じる恐れがあることを推測している。

「過体重や肥満が潜在的に修正可能なリスク要因であることを考えれば、妊娠適齢期女性の肥満を回避することは、てんかんの罹患(りかん)率を低下させるための重要な公衆衛生戦略となる可能性がある」と論文は指摘している。(c)AFP