【4月4日 AFP】ドイツ南部の鍾乳洞でダイバーが発見したピンク色の珍しい魚が、欧州で初めて見つかった「洞窟魚」だと確認された。光の届かない洞窟や地下水脈に生息する洞窟魚はこれまでに世界で150種以上発見されているが、欧州と南極大陸では確認されていなかった。研究者らが米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に発表した。

 この魚はバルバトゥラ属のドジョウの一種。ダイバーのヨアヒム・クライゼルマイヤー(Joachim Kreiselmaier)さんが2015年8月、ドイツ南部にあるドナウ(Danube)川とアーハの泉(Aachtopf)の水系が合流する辺りにある鍾乳洞内で発見。写真を撮って専門家らに見せた後、現場に戻って捕獲し、調査を依頼した。

 研究者らは、このドジョウの形態的・遺伝的特徴を同じ鍾乳洞内の水面近くを泳ぐ魚と比較した上で、このドジョウが「隔離された個体群であり、欧州初めて見つかった洞窟魚」と確認した。

 発見されたドジョウは暗闇に生息しているため、目は小さく退化し、他の魚と比べて体の色素も極端に薄い。専門家らによると、過去2万年の間に出現したとみられるという。(c)AFP