【4月4日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)に所属するフィリップ・ラーム(Philipp Lahm)が、同国ミュンヘン(Munich)を拠点に置く新興企業に投資したとするエープリルフールの話をでっち上げられたことにつき、訴訟の構えをみせたのを受け、この偽ニュースを流した会社が平謝りする事態に発展した。

 新興企業が悪ふざけのつもりで発表したニュースレターを受け、ドイツの複数メディアは1日、今年6月に現役を退くラームがフィットネス事業を展開するスタートアップに投資したという内容の記事を報道したが、あとになってこの話がエープリルフールのでっち上げであったことが判明した。

 このニュースレターには、バイエルンのスター選手であるラームと同企業の従業員一人が、会社の共同創設者であるヴァヒド・イマニ(Vahid Imani)氏には無断でメディアに情報を流したという、うその内容も含まれていた。

 しかし、今回の話はエープリルフールとして済まされずに即炎上すると、ラームのマネジメント会社もこの内容を冗談と受け取らずに法的手段も辞さない構えを示している。

 ラームのアドバイザーを務めているロマン・グリル(Roman Grill)氏は、今回の偽ニュースを伝えた独紙ビルト(Bild)に対して、「この件は、ちっとも面白いものではない。われわれの目には、有名人を広告塔に使った小細工に見える」と怒りをあらわにした。

 問題の企業は、ラームのマネジメント会社に何度も謝罪したことを明かしたが、この話題はすでに無料の宣伝効果を生み出している。

 イマニ氏は声明で、「今回の『発表』によって、このような波紋を広げてしまったことを心から謝罪します。4月1日は、もはや以前のものとは違っているようです。スポーツマンとして、われわれは自分たちの過ちを認め、フィリップ・ラーム基金(Philipp Lahm Stiftung)に寄付をするなど、献金という形で事態を正していく所存です」と述べた。

 イマニ氏はまた、実際に元ドイツ代表の主将ラームとバイエルン・ミュンヘンの施設で会ったことがあり、その際に名刺交換をして自社の話を伝えたものの、それ以上のことは何もなかったと話した。(c)AFP