【4月4日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のピエール・エメリク・オーバメヤン(Pierre-Emerick Aubameyang)が、先日の試合でみせた得点直後のマスクパフォーマンスについてクラブから再びルール違反とみなされ、少なくとも罰金5万ユーロ(約590万円)を科される見通しだと報じられた。

 27歳でガボン出身のオーバメヤンは、ドルトムントが1-1で引き分けた1日のシャルケ04(Schalke04)戦で今季24ゴール目を記録すると、黒とオレンジのレスラーマスクをかぶるセレブレーションを行った。同選手は2014年8月にはスパイダーマン(Spiderman)、2015年2月にはバットマン(Batman)のマスクを着用するパフォーマンスを披露していた。

 しかし、独西部ゲルゼンキルヒェン(Gelsenkirchen)で行われたシャルケ戦での行為は当初、無害なおふざけにすぎないとみられていたが、やがて宣伝戦略の一環であることが発覚した。

 独紙ビルト(Bild)が3日に報じた内容によると、オーバメヤンに5桁の罰金が科される可能性があるのは、シャルケとの試合で着用したマスクが、同選手の個人スポンサーである米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)が広告で使用したものと同じであることが理由とされている。同社はドルトムントの株主である独スポーツ用品大手プーマ(Puma)のライバルであり、これが大きな問題となっている。

 オーバメヤンはすでに先月、ナイキのロゴを刈り込んだ派手なヘアスタイルを披露してドルトムントの首脳陣とトラブルになっていた。

 ドルトムントのハンス・ヨアヒム・ヴェツケ(Hans-Joachim Watzke)最高経営責任者(CEO)は、「ナイキの経済的利益をもたらすために、われわれがこのようなやり方をさせたわけではない。われわれのパートナーはプーマだ。この行為は大企業にふさわしくない。まじめな(ビジネスの)関係は、あのようなものとは異なる」と強調すると、ナイキ社との関係についても「現在のところ、深刻な緊張関係にある」と述べた。

 ビルト紙はまた、4日にホームで行われるハンブルガーSV(Hamburger SV)とのリーグ戦後に、オーバメヤンがクラブ首脳陣と面会し、同様の行為が繰り返されればさらに高額の罰金が言い渡される可能性があると伝えている。

 ドルトムント株を5パーセント保有しているプーマは、クラブ側の適切な対処を期待しているとして、「わが社のライバルが、選手をこのような状況に置く理由が分からない。われわれは、ドルトムントがこの問題について正しい結論を導くと確信している」と述べた。

 スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)でいつかプレーしたいと話しているオーバメヤンは、2020年までドルトムントとの契約が残っているが、今季開幕から2度にわたり、シーズン終了後に退団する可能性を示唆していた。(c)AFP