サウジ将軍、ロンドンで卵ぶつけられる 英外相が副皇太子に謝罪
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【4月3日 AFP】英国を公式訪問したサウジアラビア軍将官がロンドン(London)で卵を投げつけられる騒ぎがあり、英政府が謝罪したと、国営サウジ通信(SPA)が2日伝えた。
騒ぎが起きたのは先週。イエメンの内戦に抗議する反戦活動家の男性が、ロンドンを訪問したサウジアラビア軍のアフメド・アシリ(Ahmed Asiri)准将の私人逮捕を試み、その際に別の活動家が卵を投げつけた。卵はアシリ准将の背中に当たったという。
アシリ准将は、イエメン政府を支援して反体制派への攻撃を続けるサウジアラビア主導の連合軍の報道官を務めている。
SPAによると、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英外相がサウジアラビア国王の息子のムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)副皇太子兼国防相に電話し、「副皇太子の顧問であるアシリ氏に対するデモ隊らの襲撃」について謝罪したという。
ツイッター(Twitter)に投稿された動画には、反戦活動家のサム・ウォルトン(Sam Walton)氏がアシリ氏に接近し、片手をアシリ氏の肩に置いて私人逮捕を宣告した後、護衛官に引き離される様子が映っている。「イエメンでの戦争犯罪であなたを私人逮捕する」というウォルトン氏の声も聞こえる。
その後、警護隊に守られて建物内に入るアシリ氏を追ったもう別の活動家が卵を投げる。卵を背中にぶつけられたアシリ氏が振り向き、活動家に向かって中指を立てる様子も捉えられている。
英国では、正式起訴に相当する犯罪の容疑者を私人逮捕する権利が市民に認められている。
イエメンでは、イスラム教シーア派(Shiite)のイランが支援するシーア派系反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」が2014年に首都サヌア(Sanaa)を掌握。翌年3月にスンニ派(Sunni)のサウジアラビアがイエメン政府を支援して介入し、内戦状態が続いている。これまでに数千人の民間人が死亡しており、人権団体は軍事介入を続けるサウジアラビアを強く非難している。(c)AFP