北京五輪出場のジャマイカ人短距離選手から禁止薬物検出―独報道
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【4月3日 AFP】過去にさかのぼって行われたドーピング再検査で、2008年北京五輪に出場したジャマイカの短距離選手の検体から微量の禁止薬物クレンブテロール(clenbuterol)が検出されていたことが分かった。ドイツ公共放送ARDが2日に報じた。
ARDは、国際オリンピック委員会(IOC)はこの事実を昨年末に把握していたものの、最新技術を駆使した検査で検出された薬物の量が少なかったため、これまでのところ何の行動も起こしていないと伝えている。
IOCは声明で、北京五輪で採取された検体にクレンブテロールが含まれていたというARDの報道を認めている。
ARDは今回クレンブテロールが検出されたジャマイカ人選手の実名は伝えていないが、そのほかの国の他競技の選手も再検査で陽性反応が出ていると明かしている。
ARDはまた、世界反ドーピング機関(WADA)のオリビエ・ニグリ(Olivier Niggli)事務総長が、「ジャマイカ人選手の検体に極めて微量なクレンブテロールがあったという事実は認識している」と話したと報じている。
「禁止薬物を直接摂取した場合と比べて量が少なかった場合、WADAはそういった件は公表されないものとして扱っている」
北京五輪の陸上短距離でジャマイカは、当初ウサイン・ボルト(Usain Bolt)の三つを含め計五つの金メダルを獲得したが、再検査でネスタ・カーター(Nesta Carter)から禁止薬物メチルヘキサンアミン(methylhexaneamine)が検出されたことにより、男子4×100メートルリレーの金メダルを返還している。
クレンブテロールは筋肉増強剤で、自転車プロロードレース選手のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)が、優勝した2010ツール・ド・フランス(2010 Tour de France)でこの薬物が検出されたことにより、タイトルを剥奪されて2年間の出場停止処分を受けている。(c)AFP