【4月3日 AFP】16-17イタリア・セリエAは2日、第30節の試合が行われ、ゴンサロ・イグアイン(Gonzalo Higuain)の遺恨試合となったナポリ(SSC Napoli)とユベントス(Juventus)の注目の一戦は1-1の引き分けに終わった。

 ナポリから獲得したイグアインが初めて古巣の本拠地に足を踏み入れた試合で引き分けたユベントスは、事実上唯一のライバルである2位ASローマ(AS Roma)との勝ち点差を残り8節で6としている。

 ユベントスは本来のパフォーマンスではなかったが、マッシミリアーノ・アレグリ(Massimiliano Allegri)監督は、同じく敵地でのナポリとのイタリア杯(Italian Cup 2016-17)準決勝第2戦、FCバルセロナ(FC Barcelona)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準々決勝を見据えた戦いではなかったと主張している。

「偉大なチームは苦しみを知り、謙虚であることを学ぶ必要がある。われわれは5月にトップでいなければならない。そうすればナポリで良いプレーができなかったことなど誰も思い出さないだろう」

 ユベントスと10ポイント差の3位につけるナポリは、来季のチャンピオンズリーグ出場権の最後のいすを好調ラツィオ(SS Lazio)と争っている。

 ナポリのマウリツィオ・サッリ(Maurizio Sarri)監督は、勝ち点3を獲得できた展開で取りこぼしたことを悔やんだ。

「勝てなかったことを残念に思う。われわれにはそのチャンスがあった。だがチームがきょうのようなプレーをした日は、監督は失意以外のあらゆる感情を抱えて家に帰ることができる」

 イグアインがユベントスのユニホームを着て初めて古巣に帰還するということで、スタジアムは終始緊迫した雰囲気に包まれ、かつてのアイドルが登場するとスタジアムは絶え間ないブーイングに包まれた。

 しかし前半7分にユベントスは、相手の中途半端なクリアボールを拾ったサミ・ケディラ(Sami Khedira)がミラレム・ピャニッチ(Miralem Pjanic)とのワンツーで抜け出して先制点を決め、サン・パオロ・スタジアム(San Paolo Stadium)の観客を沈黙させた。

 失点後は試合を支配したものの決定的なチャンスを作れていなかったナポリだが、後半15分にドリース・メルテンス(Dries Mertens)とのパス交換からキャプテンのマレク・ハムシク(Marek Hamsik)がユベントスの守護神ジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon)の牙城を崩し同点とした。

 昨季36得点を挙げてナポリにチャンピオンズリーグの出場権をもたらしたイグアインは、密かにメディカルチェックを受け、別れも告げず移籍金9000万ユーロ(約107億円)でチームを去ったことによりサポーターから「ユダ(裏切り者)」との烙印(らくいん)を押され、試合では精彩を欠いた。

 アレグリ監督は、「スタジアム全体に敵視されていては簡単にいかない。繊細な男なので簡単な夜ではなかったが、彼にとっていい試合だった」とコメントしている。

 同日の試合でACミラン(AC Milan)は、最下位のデルフィーノ・ペスカーラ1936(Delfino Pescara 1936)と1-1で引き分け、来季の欧州カップ戦への復帰に暗雲が垂れ込めた。

 この結果、来季ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)に出場できる5位と4ポイント差の7位となったミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ(Vincenzo Montella)監督は、「自分たち自身で苦しい状況に追い込んでしまったが、まだドアは閉じられていない」とコメントしている。(c)AFP/Angus MACKINNON