ボブ・ディラン氏、ついにノーベル賞メダル受け取る
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【4月2日 AFP】2016年のノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)を受賞した米シンガー・ソングライターのボブ・ディラン(Bob Dylan)氏(75)が1日、ついに同賞の賞状とメダルを受け取った。賞を選考するスウェーデン・アカデミー(Swedish Academy)が明らかにした。昨年10月に受賞が決まってから、捉えどころのないディラン氏が果たしてメダルを受け取るのか臆測を呼んでいた。
ディラン氏は新作アルバム「Triplicate」のリリースに合わせた欧州ツアーのためスウェーデンの首都ストックホルム(Stockholm)に滞在しており、授賞式はディラン氏のストックホルム公演の初日に先立ち非公開の場所で行われた。同公演の2度目のコンサートは2日に行われる。
スウェーデン・アカデミー選考委員のサラ・ダニアス(Sara Danius)氏のブログ投稿によると、ディラン氏は同アカデミーの12人が出席して行われた「非公開の式典」で賞を受け取った。式ではシャンパンが振る舞われ明るく友好的な雰囲気だったという。
文学賞のメダルには古代ローマの詩人ウェルギリウス(Virgil)の叙事詩「アエネイス(Aeneid)」から「Inventas vitam iuvat excoluisse per artes」というラテン語の一節が刻まれている。「新たに見いだされた熟達の技によって地上の生活をより良きものとした者たち」といった意味だ。
受賞者が賞金800万クローナ(約9900万円)を受け取るには記念講演を行うことが義務付けられているが、ディラン氏は1日の授与式でも講演しないことになっていた。代わりに6月10日までに何らかの形で講演を行う。録画での提出も認められており、短いスピーチや歌や演奏のパフォーマンス、映像配信でも構わないという。この条件を満たせなかった場合、ディラン氏は賞金を受け取れない可能性がある。
ダニアス氏は先月29日、「今後スウェーデン・アカデミーに、何らかの収録物が送られてくると信じるに足る理由がある」と語っている。(c)AFP/Gaël BRANCHEREAU, Ilgin KARLIDAG