【3月31日 AFP】ベネズエラ最高裁は30日、野党勢力が過半数を占める議会の立法権を剥奪した。ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領とその支持派による締め付け強化の動きであり、議長はこれを大統領による「クーデター」と糾弾した。

 最高裁判事らは、野党優勢の議会との権力争いで左派のマドゥロ大統領を一貫して支持してきている。議会の野党勢力が法廷侮辱罪を犯したとする先に出された判決を理由に、立法権剥奪という判断を下した。

 ベネズエラでは壊滅的な経済危機が、食料不足や暴動、暴力犯罪のまん延を招いている。政治アナリストらは、今回の判断が急激に独裁主義に向かう転換点になると警鐘を鳴らした。

 フリオ・ボルヘス(Julio Borges)議長はこの判決を「愚行」と一蹴。「ニコラス・マドゥロはベネズエラでクーデターを起こした」と議会前で痛烈な演説を行い、ここまで大統領を支持してきた軍に対し、断固たる態度を示すよう促した。

 米州機構(OAS)のルイス・アルマグロ(Luis Almagro)事務総長もベネズエラ最高裁の判断はクーデターに当たる動きと断じ、さらに米政府も民主主義にとって大きな後退だと批判した。(c)AFP