【3月30日 AFP】車と衝突して死ぬ鳥は、車を回避できる鳥よりも脳が小さい傾向がある――こんな研究結果が29日、英国王立協会(Royal Society)のオンライン科学誌「ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス(Royal Society Open Science)」に掲載された。

 フランス国立科学研究センター(CNRS)の進化生物学者アンダース・パぺ・メラー(Anders Pape Moller)氏らは、251種・計3521羽の鳥の死骸を解剖し、体の大きさに占める脳のサイズの比率を調べた。この「鳥頭の法則」は、異なる種類の鳥にも当てはまるという。

 例えば、カラスは体長に対して脳が大きいが、行き来する車をうまく避ける能力にも非常に長けているという。フロリダ(Florida)州のハイウエーで行われた先行調査では、車にひかれた動物の死骸をついばむカラスたちが、わずか数センチしか離れていない隣の車線を猛スピードで走り抜ける車の存在は無視し、自分たちのいる車線に車が走ってきたときだけギリギリのタイミングで飛び立って危険を避けるのが確認されている。

 一方、ハトはカラスよりも車との衝突を避ける能力が低いようで、その欠陥は実際に各地の大都市の路上で車にひかれた死骸が見つかることからも明らかだ。そして、ハトの脳は体長に対して小さい。

 また、メラー氏らの研究では、体長と脳の大きさの比率によって車にひかれる確率が変わる傾向は、同じ種類の鳥でも確認されたという。(c)AFP/Marlowe HOOD