元ピストルズのJ・ライドンが語る「ブレグジット・トランプ・政治的無関心」
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【3月30日 AFP】英国の欧州連合(EU)離脱、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の米大統領就任──政治の世界ではこのところ多くの人にとって予想外の出来事が続いてきたが、英パンクロックの雄、「セックス・ピストルズ(Sex Pistols)」の元メンバー、ジョン・ライドン(John Lydon)にとってはそれほど驚く事態ではなかったようだ。
1970年代、パンクロック革命によって体制に中指を突き立て、揺さぶりをかけたセックス・ピストルズ。そのフロントマンだったライドンがAFPの電話取材に応じ、昨今の激動について、自分たちの後の世代がいかに政治に無関心になってしまったかを示しているにすぎないと語った。
「世界には時折、大変革が必要なのだと思う。無関心な態度でいれば必ずその報いを受ける」。トランプ大統領の誕生は「そういう人間たちにとって必要なカンフル剤の一種」なのだと皮肉る。
ライドン自身は「ブレグジット(英国のEU離脱、Brexit)」を批判し、トランプ米大統領についても罵倒する。特に40年前にピストルズが「ボディーズ(Bodies)」という曲でテーマにした中絶に関し、トランプ氏が合法的な中絶に反対していることが大きい。
しかし、ロンドン(London)で労働者階級のアイルランド移民の家庭に生まれたライドンは、人々の経済的な「絶望感」は理解できると語り、政治家たちへの軽蔑を隠さなかった。そして「日常の中で政治問題を論じること自体が、すっかり廃れてしまった」と述べ、ピストルズ以降の音楽業界は政治運動力を失ってしまったとして非難の矛先を向けた。
「何世代かにわたって皆が無関心で、ばかげたひげやら、ティーポットカバーみたいな帽子やらに夢中だった。彼らは似たような格好で、似たような話しかしない。そこにはまったくエネルギーはないし、そういう状態だと結局とんでもなくひどいことが起きる。それで、あんなドナルド(トランプ氏)なんかに機会を与えることになってしまう」