群衆がナイジェリア人学生を襲撃、人種差別が起因か インド
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【3月29日 AFP】インドの首都ニューデリー(New Delhi)近郊で、薬物の過剰摂取によるとみられる10代の若者の死をめぐり、ナイジェリア人の学生らが群衆に襲われる事件が発生し、警察当局が29日、治安対策を強化に乗り出した。
今回の襲撃事件は27日の夜遅く、複数の有名大学や技術系の専門学校といった教育施設が置かれ、アフリカ人の学生・生徒ら数百人が暮らす、ニューデリーの衛星都市グレーター・ノイダ(Greater Noida)で発生。ナイジェリア人の学生らが棒や金属製の椅子で殴打されるとともに、十数人が負傷した。警察は襲撃に関与した5人を拘束し、さらに別の襲撃犯を特定するため防犯カメラ映像の解析を進めている。
地元警察の当局者はAFPに対し「若者の死にアフリカ人らが関係しているとのうわさが広がり、ソーシャルメディア上で人種差別的なコメントが投稿された。人種的なものが起因となったようだ」、「襲撃犯5人が逮捕され、別の4人が逃走中だ」と話し、さらに300人が暴動にかかわったと明かした。
その一方、「検問所を増やし、グレーター・ノイダに配置する警察官も増員している」と述べるとともに、監視カメラの映像や、居合わせた人々によって捉えられたり、メディアによって放映されたりした襲撃の映像を解析し、40人ほどの人物を特定したとしている。
今回の襲撃事件は、地元出身の16歳の若者が薬物の過剰摂取とみられる症状で死亡したことがきっかけ。地元の住民グループがナイジェリア人の生徒5人の自宅に押し掛け、この5人が若者を殺害したと主張した。その後、警察当局は若者の死に関連し、5人の身柄を拘束したが、証拠不十分で釈放。だが、捜査を要求して集会を開いていた群衆が、ショッピングモールから出てきたナイジェリア人学生らを発見し、一部が暴徒化した。(c)AFP