【3月29日 AFP】米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)が石炭産業再生を目指すドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の政権に対し、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」に残留するよう求める書簡を送っていたことが明らかとなった。トランプ大統領は28日、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が推進してきた気候変動対策を見直す大統領令に署名している。

 エクソンモービルの環境政策・計画の責任者ピーター・トレレンバーグ(Peter Trelenberg)氏は22日、先進国と中国やインドといった新興国による温室効果ガス排出削減のための初の取り組みであるとして、パリ協定を称賛する内容の書簡をトランプ大統領のエネルギー政策顧問であるデービッド・バンクス(David Banks)氏に送った。

 書簡でトレレンバーグ氏は、米国は温室効果ガスの排出が少ない天然ガスへの依存を高めており、パリ協定を守りながらエネルギー市場でも競争していく構えだと語り、また、「世界のエネルギー市場が可能な限り自由で競争的であり続けるための公平さを確保するには、米国がパリ協定に参加し続けることが賢明である」と述べた。

 さらに書簡は、気候変動対策には技術革新が必要であり、米政権はそれらを後押しする政策を推し進めるべきだと訴えた。

 トランプ政権はパリ協定から離脱するかどうかについてまだ明確にはしていないが、28日の大統領令への署名は、それを示唆している可能性もある。(c)AFP