ドイツ検察、国内でのトルコ情報機関によるスパイ活動を捜査へ
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【3月29日 AFP】ドイツ検察当局は28日、トルコの情報機関が、米国に亡命中のイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の支持者とみられる人々に対しドイツでスパイ活動を行っているとの疑いについて、捜査を開始することを明らかにした。人権問題などをめぐって緊張が高まっている両国関係は、新たな局面を迎えている。
捜査は、ドイツ北西部ニーダーザクセン(Lower Saxony)州のボリス・ピストリウス(Boris Pistorius)内相が、ギュレン氏の支持者に対してトルコがスパイ活動を行うことは「容認できない」などと非難したことを受けたもの。ギュレン氏は、昨年7月にトルコで起きたクーデター未遂事件についてレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領から首謀者と糾弾されている。
ピストリウス内相によると、トルコ政府は独政府にギュレン氏の支持者とみられる約300人に対するスパイ活動に協力するよう要請。対象者のリストはドイツの対外情報機関「連邦情報局(BND)」に提出され、その後、各州政府に渡されたという。
ピストリウス内相は、リストに含まれていたニーダーザクセン州内の学校1校と少なくとも企業2社を含む10以上の対象者について、トルコに渡航すれば「報復」を受ける可能性があると通知することに決めたという。
ドイツのメディアが報じたところによると、リストには対象者の名前と住所、電話番号、写真が含まれ、2月にミュンヘン(Munich)で行われた安全保障会議の際にトルコ側からドイツに渡された。
連邦検察当局は、トルコ政府がどうやってスパイ活動の対象者の詳細情報を収集したかについて調査するという。(c)AFP/Hui Min NEO