【3月29日 AFP】ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元米大統領の妻、故ジャクリーン・ケネディ(Jacqueline Kennedy)夫人が、夫が暗殺されてから数年後に元駐米英国大使に宛てて書いたプロポーズを断る手紙十数通が29日、英ロンドン(London)で競売にかけられる。

 ジャクリーン夫人は、ケネディ大統領在任中に駐米英国大使だったデービッド・オームズビー・ゴア(David Ormsby Gore)氏との手紙でのやりとりの中で、同氏との結婚を望まない理由をつづっている。

 1968年の手紙で夫人は「私たちはお互いをとてもよく知り、たくさんのことを一緒に共有し、失いもしました。たとえ今あなたが望む形ではないとしても、この愛情と苦しみの絆が永遠に途切れないことを願っています」とつづり、さらに「あなたは愛すべき兄弟のようであり、よき助言者です」と書いている。

 オームズビー・ゴア氏は、この手紙が書かれた年の夏に「秘密の結婚」を持ち掛けたが、ジャクリーン夫人からきっぱりと断られたことについて「耐え難い」と述べている。

 手紙は18通あり、1963年にケネディ大統領が暗殺されてから、1968年にジャクリーン夫人がギリシャの海運王アリストテレス・オナシス(Aristotle Onassis)氏と再婚するまでの間に書かれた。

 これらの手紙は、ケネディ大統領や複数の英首相からの手紙を含め、オームズビー・ゴア氏の家族の自宅から発見された数多くの文書の一部で、英競売大手ボナムス(Bonhams)の競売にかけられ、予想落札価格は15万ポンド(約2100万円)となっている。(c)AFP