麻疹、欧州全体で流行の恐れ WHOが警告 低いワクチン接種率
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【3月29日 AFP】世界保健機関(WHO)は28日、非常に伝染性の高い感染症の麻疹(はしか)の感染患者が1月に欧州全体で500人以上報告されたのを受け、ワクチン接種率が低下している国々で、麻疹の大規模な流行が発生する恐れがあると警告した。
WHO欧州地域事務局のジュジャンナ・ヤカブ(Zsuzsanna Jakab)局長は声明で「この2年にわたり根絶に向けて着実に前進している中、麻疹患者が欧州で急増していることが特に懸念される」と述べている。
「今日の渡航パターンにおいては、誰もどの国も、麻疹ウイルスの影響が及ぶ範囲から逃れることは不可能だ」
高熱と小さな赤色の発疹が特徴的な症状の呼吸器疾患である麻疹は通常、軽度の症状しか引き起こさないが、依然として世界の幼い子どもの主な死亡原因の一つとなっている。
重度の合併症が起きると、妊婦の流産や、脳腫脹、肺炎による死亡のリスクなどを引き起こす可能性がある。
麻疹ウイルスは、せき、くしゃみ、感染患者との密接な接触などで拡散する。
患者数が最も多いのはフランス、ドイツ、イタリア、ルーマニア、ポーランド、スイス、ウクライナで、1月に報告された感染患者559人のうち474人が、これらの国々で発生している。
これらの国々では、麻疹ウイルスに対する国のワクチン接種率の水準が、人口全体を保護するために必要とされる基準値の95%を下回っている。