モスル空爆の民間人巻き添え、有志連合が「恐らく」関与 司令官
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【3月29日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が支配するイラク北部モスル(Mosul)西部で今月中旬、米主導の有志連合によるとみられる空爆で民間人多数が犠牲になったことについて、有志連合は28日、「恐らく」一端を担ったと認めた。一方、国連(UN)は先月から今月にかけてモスル西部で死亡した民間人が300人余りに上ったと発表した。
有志連合は先に、今月17日に空爆を実施したモスル西部地区で民間人の死傷者が報告されていると明らかにした上で、調査を開始したと発表していた。
有志連合の司令官を務める米軍のスティーブン・タウンゼンド(Stephen Townsend)中将はイラクの首都バグダッド(Baghdad)から行った電話記者会見で、モスル西部での空爆による民間人の死傷者に言及し、「恐らくわれわれがこれらの犠牲の一端を担った」と述べた。
「罪のない人たちが殺害されたのだとしたら、戦争中の不慮の事故だ」とも語った。
■1か月で300人超犠牲
一方、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のラビナ・シャムダサニ(Ravina Shamdasani)報道官は28日、モスル西部でIS掃討作戦が行われる中での民間人の死者が、先月17日から今月22日までで少なくとも307人に達したと明らかにした。
今月23~26日にさらに95人が殺害されたとの報告があるとも指摘した。
ISは民間人を標的とし人間の盾にも使う一方で、ISと戦う部隊も攻撃の最中に民間人の犠牲者を出している。
こうしたなか、国連や国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、民間人を保護する取り組みの強化を求めている。
ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官は、イラク軍と有志連合の部隊に対して「民間人の被害を絶対最小限まで確実に抑制するため、戦術の即時見直しを行う」よう要求した。
アムネスティのドナテラ・ロベラ(Donatella Rovera)氏も、モスル東部で行った現地調査から「一家全員が中にいる家屋の全体を破壊するという有志連合の憂慮すべきパターン」が浮き彫りになったと指摘。「民間人死者数の多さは、有志連合が…民間人の犠牲を防ぐために十分な予防策を講じていないことを示しており、これは国際人道法の目に余る違反だ」と非難している。(c)AFP/Ahmad Mousa