【3月29日 AFP】英スコットランド(Scotland)議会は28日、英国からの独立の是非を問う住民投票の再実施を求めたニコラ・スタージョン(Nicola Sturgeon)自治政府首相の動議を、賛成多数で可決した。英国は翌29日に欧州連合(EU)からの離脱通告を行う予定で、国家の団結を守ろうと奮闘するテリーザ・メイ(Theresa May)首相は新たな頭痛の種を抱えた形だ。

 メイ首相は採決前日にスタージョン氏と会談し、住民投票の再実施に反対する意向を伝えていたが、スコットランド議会は賛成69、反対59で動議を可決した。

 これによりスタージョン氏は、住民投票実施に向けた正式要請を行うことになるが、そのためには英政府と国会から承認を受ける必要があり、メイ氏は既に「今はその時ではない」との立場を示している。

 メイ首相は29日にEU基本条約(リスボン条約、Lisbon Treaty)第50条を発動し、44年間加盟してきたEUからの離脱に向けた2年間の交渉期間を開始する予定。

 昨年行われたEU離脱の是非をめぐる国民投票では、スコットランドと北アイルランド(Northern Ireland)はEU残留を望んだものの、イングランド(England)とウェールズ(Wales)で離脱を支持した投票者数には及ばなかった。(c)AFP/Mark MCLAUGHLIN/Rosie SCAMMELL